汐留ビルの中庭
日テレタワーの近くで撮りました。この巨大行灯のような照明が面白いと思いました。白く輝くパネルは薄いピンクやグリーンのマーブル模様になっていて真珠のような感じなんです。まわりには陰影のない穏やかな光が広がって和やかな雰囲気を演出しています。
和風を現代風にアレンジした照明だと思います。
和風の灯りをそのまま今の空間に持ってこれないのは、洋風化にともない椅子の使用をすることになったからだと考えています。畳の上で生活するのと椅子や机を使って生活するのでは、灯りを必要とする高さが違うのです。
たとえば、公開されているお寺の庭なども、本来は部屋の畳に座って眺めると良いように作られています。たいがい部屋や廊下を歩きながら眺めて通り過ぎてしまいますが、誰が眺めるために作られたのかを考えれば、座って見るに限ります。
座ってみると日本の建築物だって頭上に空間が広がっていることに気づきます。この状態でなら、煌めくシャンデリアがあっても良いのだけれど、立つと邪魔。だから行灯のような低いスタンドを使うようになったんじゃないかな。光源が直接見えるものだと目に近いのでまぶしい。作業するにも手の影がくっきり出てしまうと見えづらい。それで和紙を貼ってぼんやりとした灯りにする工夫ができたんじゃないかと思うわけです。
「ぼんやり」という言葉はあまり響きが良くないのですが、実はとっても大事な要素であるなあと、思っています。
B.B.
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